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2018/05/23
ファッションの聖地、フランス。
その昔からファッション界を引っぱってきたわけじゃありません。
プリント技術はインドのまねから始まります。
18世紀に起きた更紗革命を受けて、各地と同じように、ここでも独自に進化しました。
フランスを代表する更紗、ジュイ更紗を紹介します。
ジュイ更紗とは、フランスのジュイで製作された更紗をさす言葉。
1761年にドイツ人のオーベル・カンプが、フランスのジュイに建てた工房で製作されたことから「ジュイ更紗」と呼ばれるようになりました。
風景や神話、聖書の物語などを取り入れた絵画的な描写が特徴的な更紗です。
イギリス更紗同様、当初はインド更紗の模倣から始まり、プリント技術が開発されて以降、より細かな写実表現が可能になりました。
中国や日本様式の写実的な花鳥や風景などを取り入れた装飾文様は、家具用の布地として人気を得ていきます。
ジュイ更紗の模様は、ブルー・レジストと呼ばれる藍染や、ボルドー(赤)など単色に染めた風景画が特徴的。
特に、ルイ16世時代を代表する装飾家・ジャン・バティスト・ユエの田園風景が有名です。
ナポレオン帝政時代になるとローラープリントも併用されるようになり生産力も増加しました。
特徴的だった風景画も、直線的で重厚な華やかさを表現する飾り柄になるなど、時代と共に変化していきます。
しだいに、ジュイ以外の土地でも制作されたものも含め、フランス製更紗は「ジュイ更紗」と総称され、「トワル・ド・ジュイ」(トワル=布、=ジュイの布)と呼ばれる、フランス更紗を代表する伝統的な更紗となりました。
ソレイアードといえば、プロヴァンス・プリント。
プロヴァンス・プリントといえば、ソレイアード。
南仏のプロヴァンス・プリントを代表する最古のブランド、ソレイアードのご紹介。
「ソレイアード」はプロヴァンス・プリントの代名詞にもなっています。
ソレイアードとは「雨のあと雲間から射す一条の光」の意味をもつブランド名。
1939年に創業者シャルル・ドゥメリーが、「ソレイアード」と命名し、産業革命の影響で危機に陥っていたプロヴァンス・プリントの復活と、その木版と職人の技の保存に成功します。
機械プリントになった現在も、ソレイアード博物館では約4万点の木版が保存され、活躍し、プロヴァンス・プリントの伝統を守り続けておられます。
プロヴァンス・プリントとは、17世紀にインド更紗の技法を基に生まれた木版染めのこと。
プロヴァンスとは、フランス南東部の地域をさす言葉。
簡単に言うと、フランス南東部で発展したプリント方法のことです。
こちらでもペイズリー柄などインド更紗の影響を受けながらも、ひまわりやミモザなど、プロヴァンス地方ならではの柄や、明るい色合いを特徴にした「プロヴァンス柄」と呼ばれる独自の生地に発展しました。
梨の樹の木版に模様を彫り、主に植物系の染料で印刷を行うもので、茜やアネモネのレッド、南仏の青い空と海をイメージするインディゴブルー、それと太陽やひまわりのイエローなどで表現されるのが特徴です。
このようなプリント生地を総称して、「トワル・パント」と呼んだりもします。
以上、余談になりましたが、南仏最古、ソレイアードのご紹介でした。
それでは、ジュイ更紗のまとめです。
ジュイ更紗とは、
・1761年にドイツ人のオーベル・カンプが、フランスのジュイに建てた工房で製作を開始。
・風景画が特徴的で、装飾家ジャン・バティスト・ユエの田園風景が特に有名。
・時代と共に模様が変われど、「トワル・ド・ジュイ」(トワル=布、=ジュイの布)と呼ばれる、フランス代表する伝統的な更紗である。
フランスを代表する更紗、ジュイ更紗のご紹介でした。