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2018/05/18
時は16世紀、大航海時代。ヨーロッパでインド更紗が大流行。
これを機に、イギリスでも更紗の生産が始まります。
詳しくは、欧州の織物業に大激震 18世紀の「更紗革命」 をご覧ください。
初めはインドのまねだった柄も、イギリス独自の柄に進化していきました。
その過程も追いながら、イギリス更紗を紹介していきます。
インド更紗の大流行をきっかけに、イギリスで生産された更紗の総称です。
19世紀英国で生産された更紗で、「ヴィクトリアン・チンツ」のこと、ともいわれます。
17世紀後半にはプリント工場が設立され、当初は木版によるハンドプリントだったものが、その後のプリント技術の開発で、多彩色使いの細かな模様を刷ることが可能になりました。
おもに銅板捺染(なせん=プリント)で、平版捺染からローラー捺染へとその技術は進歩していきました。
初期の更紗は、インド更紗のまねのような異国風の植物模様が用いられていましたが、ヴィクトリア朝期(1837~1901)になると、バラ、ユリ、なでしこ、ふうりん草、釣り鐘草、ケシなど、身近な草花からモチーフを得たロマンティックでリズム感ある模様を表現していきました。
花や鳥を特徴にした多色使いの華やかな更紗が生み出され、イギリスの自然を題材にした草花に異国情緒を盛り込んだ、気品に富んだ文様が刷り上がりました。
これを、「ヴィクトリアン・チンツ」と呼びます。
「ヴィクトリアン・チンツ」は単に、花更紗をさすこともあります。
ヴィクトリア朝期に生み出された、花や鳥などをありのままに描き出した、多彩色使いの華やかな更紗です。
先ほどにもあったように、開発されたプリント技術のおかげで、細密画にような装飾デザインが登場しました。
また、ビクトリア女王時代のとてもぜいたくで、はでな花模様の織柄をプリント柄に置換えた更紗柄のことでもあります。
特にバラの花が多く、さまざまな色を使ったゴージャスな雰囲気のプリント柄が特徴です。
ヨーロピアン更紗の1つとしても数えられます。
現在これらは「オールド・イングリッシュ・チンツ」と総称され、イギリスの伝統的な更紗となっています。
プリントするときに、赤3色・紫2色・青・緑・黄の合計8色使うものを「ホール・チンツ」、赤、紫、青、緑、黄の合計5色のものは「ハーフ・チンツ」と呼ばれています。
イギリス更紗とは、
・イギリスで生産された更紗の総称で、ヴィクトリアン・チンツと呼ぶ。
・イギリスの自然を題材にロマンティックで気品に富んだ文様が特徴。
・バラの花が多く、さまざまな色を使ったゴージャスな雰囲気をもつ。
通称・ヴィクトリアン・チンツ。イギリス更紗の紹介でした。